医療・福祉事業に注力するきらぼしの強みとは?

地域の医療・福祉を

金融面で支える

責任と誇り。

地域の医療・福祉を金融面で支える責任と誇り。

PROJECT

プロジェクトストーリー

きらぼし銀行には、他行にはない組織として、医療・福祉事業部が置かれており、地域の病院や介護施設を金融面で支える重要な役割を果たしています。約20年の歴史を持つ同事業部は、設立以降一貫して右肩上がりの好業績を堅持。経営戦略の中でも重要なポジションを占めています。同事業部で活躍する2人に、医療・福祉事業ならではの特色、やりがい、将来像などについて語り合ってもらいました。

川北 圭一郎

医療・福祉事業部

2008年入行/経済学部卒

日本橋支店に配属され、法人営業を中心に経験、2012年10月から現職。

醍醐 祐樹

医療・福祉事業部

2007年入行/教育学部教育学科卒

春日町支店に配属され、個人・法人のお客さまへの支店業務全般を経験、2012年7月から現職。途中1年間、独立行政法人福祉医療機構に出向。

一般企業と異なる特殊性に
対応する必要がある

  • 醍醐: 私たちは主に地域の中小病院をお客さまとしていますが、一般企業と異なる特殊性があります。この点、学生の皆さんには、少しわかりにくいかもしれませんね。病院の収入は診療報酬ですが、保険診療の価格は国で定められているため、利益率は低く抑えられています。また、資格や技術を持った人たちを雇用する必要があり、人件費も削減しにくい状態にあります。
  • 川北: 病院には地域ごとに定められたベッド数の規制もあります。このため、業容を単純に拡大しようと思っても、一般企業のようにはできません。一方、日進月歩で技術が進んでいるため、医療機器も更新していく必要があります。
  • 醍醐: 資金ニーズはあるのですが、利益率が必ずしも高くないところが多いので、一般企業と同じ感覚では融資できないのです。銀行融資は一般に、長くても10年、20年の期間で返済していただくのですが、私たちは専門部署としてのノウハウを駆使して、25年、30年といった長期の貸出にも対応しています。
  • 川北: 長期の資金を提供するためには、その病院が長期間に渡って健全な経営を続けることが前提となるので、さまざまな調査が必要になります。醍醐さんが触れた「ノウハウを駆使して」というのは、病院の経営を分析する力と考えてもらえばいいでしょう。病院は救急医療だったり精神科医療だったり、地域の中でそれぞれ役割があるので、それを果たす必要もあり、経営を分析するためには、そうした役割についても熟知しておく必要があります。

新型コロナウイルス感染症の流行で
地域における医療の大切さを再認識

  • 醍醐: 新型コロナウイルス感染症が流行し、改めて地域における医療の大切さを再認識する機会ともなりました。病院は私たちの健康・命を守ってくれる存在ですから、地域の中になくてはならないものです。そこの経営を金融面から支えることができるのは、私たちの大きなやりがいであり、コロナ禍となってみて、改めてそのことを考えさせられました。
  • 川北: 私が担当している先の病院のなかには、新型コロナウイルス感染症の対応に関連してテレビニュースで紹介されるところもありました。「あっ、出ている!」と、思わず叫びそうになりますが、自分が何がしか関係している先が、世の中の役に立っている証としてテレビニュースで紹介されるのは、大変嬉しいことでした。
  • 醍醐: 大きなやりがいがあるわけですが、部署設立以来、約20年間、一貫して右肩上がりの業績を上げているので、会社からの期待も大きなものを感じます。
  • 川北: 医療・福祉事業部では、醍醐さんや私のように自ら病院に対して営業活動している人間のほかに、営業店の担当者の活動をサポートしている人たちもいます。営業店ではクリニック、診療所といったところにアプローチしていて、醍醐さんや私は中小規模の民間病院にアプローチしています。他行では営業店のサポートをする部署はあっても、私たちのように直接アプローチする人間がいるところはありません。専門部署ならではの強みを発揮して誇りを持って働いていますが、その分、責任も重いものがありますね。
       

コロナ禍にいち早く対応した提案が
大きな成果につながった

  • 川北: 事例を通してお話すると学生さんにわかりやすいかもしれません。醍醐さん、最近の事例で何か教えていただけませんか。
  • 醍醐: 200床規模のある中規模病院におけるリファイナンスのお話を紹介しましょう。きっかけは2020年の春、新型コロナウイルス感染症の流行が社会問題になり始めた初期の頃のことです。その病院は既存のお客さまだったのですが、新型コロナウイルス感染症の問題がどうなっていくのかまだわからない中、手元資金を厚く用意する必要があると感じたので、その観点から最初の提案をしました。そこで信頼を得ることができたことが強みとなって、その後、リファイナンスの提案が認められました。
  • 川北: ふだんからお客さまの経営について気を配っていたからこそ、最初の素早いアプローチにつながったということでしょうか。
  • 醍醐: そうですね。そしてリファイナンスにより、長期的に経営の安定が図れるようになったことで、お客さまに喜んでいただけました。もともとメガバンク2行と当行が融資をしていた先で、リファイナンスの結果、メガバンク1行と当行の2行が残った形です。最初にアプローチしてから話がまとまるまで、約1年を要した案件でした。

街づくりに関連した
病院建て替えプロジェクト

  • 醍醐: 川北さんも何か事例を教えてください。
  • 川北: 私はある病院の建て替えプロジェクトについて紹介したいと思います。この件は小学校の移転も含む大規模な街づくりの一環としてあったもので、当行は金融機関として準メインの立場だったのですが、メイン行が消極的な姿勢でした。そこで私たちがゼネコンを始め建て替えに必要な業者さんを紹介、行政との調整にも汗をかきました。
  • 醍醐: 病院の建て替えは大きな資金が必要になり、銀行としてはビジネスチャンスではありますが、街づくりの一環となると、調整事項が多く大変でしょうね。
  • 川北: 区議会の承認、住民説明会なども必要で、上司にも動いてもらって、区長と頭取の面談もセッティングしました。また、当行の融資に加えて、醍醐さんが1年間出向なさった独立行政法人医療福祉機構からの借入もありました。最初のとっかかりから数えると、約3年を要しました。
  • 醍醐: 大規模な案件になると、それだけの手間と時間がかかるということですね。ただ、支店では経験できない規模のプロジェクトに参画できるのは、医療・福祉事業部で仕事をする魅力の一つだと思います。

グループ企業や外部機関と連携して
多方面からお客さまを支援したい

  • 川北: 医療・福祉事業部の今後についてお話をしたいのですが、醍醐さん、私たちの課題とか、挑戦していきたいことは、どんなことだとお考えですか。
  • 醍醐: 一つは多方面からお客さまを支援していきたいということです。グループには、きらぼしコンサルティングやきらぼしキャピタルといった会社がありますが、医療福祉事業部としては、十分活用できていません。病院移転や事業承継について、悩みを抱えている病院は少なくないのですが、解決策を提案しきれていないと思います。
  • 川北: M&Aでも買手ニーズの情報はキャッチできていますが、売手ニーズに関する情報は入手できていないので、うまくマッチングできていない気がします。また、病院は医師・看護師などの人材不足にも悩んでいるので、当行としてこの面でも何かサポートの方法はないのかなと思います。
  • 醍醐: 行政やデベロッパーなど外部機関との連携も、まだまだ深めていく必要があるでしょう。課題はたくんありますが、それだけこの分野では、銀行としてできることがたくさんあるということでもあります。一つの業種に特化して深堀できる面白味もあるので、学生の皆さんにはぜひ興味を持っていただき、キャリアプランの選択肢の一つにしていただければと思います。